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根深い木 最終話

感動ではない。見終わっていいようのない虚しさ、憤りが限りなく湧いてくる。
なぜタムは死ななければいけなかったのか。チュユンもなぜ。
多くの壮絶な犠牲のもとに今のハングルが成りたったといいたかったのだろうけれど。

その尊い犠牲はみな、チョンギジュンのくだらないプライドのせい、王よりも優れた頭脳を持つ己が世の中に君臨できない悔しさ、ひがみから起きているという思いにドラマ視聴中始終とらわれてしかたなかった。

一人の女官の頭脳が解例そのものであるという事実に驚愕したギジュンはとにかくその女官をとらえるしかない。
ギジュン一味によって解例封印のために、すなわち命を奪われる寸前。
タムの意志は瀕死の瀬戸際にありったけの力を絞り出し、ハングルを書き遺す。
チュユンの救出間にあわず。
「逝かないで、逝かないで」自分の全て、タムの命のともしびが消えかかるのを必死で呼び覚ますチュユンに、「ためらわないで。王が文字を頒布するのをその目で確かめて、私に見せて」と息も絶え絶えに言い聞かせるタム。

先に旅立ってしまったタムの魂をいただいたチュユンは、亡骸をその場において、タムと一心同体になり、タムの生きていた証、解例を手に頒布会場にはやてのごとく急ぐ。

大臣や民衆が集う、文字解禁の場はその頃、密本の殺人兵器、獰猛なカルペイによって殺戮の修羅場と化していた。
次々と官憲たちが斬られる中、ムヒュルが立ち向かうが、共倒れも叶わず、無敵のムヒュルにカルペイの大刀が無残に突き刺さる。

守る者とて失った今、いよいよ玉座のイドが絶体絶命かと思われた時、チュユンがカルペイの前に立ちはだかる。
超人的な武術を収めたチュユンと、傷を負ったけだものとの一騎打ち。
先に倒れたのはカルペイだった。

騒然となるなか、イドはムヒュルを抱きかかえるようにして、早く手当てをと叫ぶが、ムヒュル最後の進言。
「私には武士としての生き方がある。王には王のすべきことがある。早く玉座に戻られよ」
諭されて文字頒布の宣言を高らかに続ける。
チュユンの投げたソイ手製の解例。民衆が拾い集めながら、声に出して読み始める。

民衆に紛れ頒布を阻止するために王に刃物を向けようとしていた卑怯者、ギジュンは、その広がりの急速さ、民の喜びの声に自身の負けを認め、その場を静かに立ち去る。

チュユンはタムとの約束とおり、民に文字が広まり始めたことを確かに見届け、王の前で崩れ落ちる。
「素晴らしい日でした、王様」と言い遺して。

ギジュンは用心棒に守られながら逃亡を続けていたがついに追手につかまり、その一矢に倒れることになる。
秘密の通路から王の玉座に座りこんだギジュンは、最後の最後まで憎まれ口。王を批判する。
民を犬なみとののしり、愚かゆえ騙されることになるだろうと言うのだ。
王は、「なんてざまだ、ギジュン」と嘲笑いながら、しかし「お前のおかげで気付かされた。民から逃げたのではない。民のために胸を痛めること、それこそが愛でなくてなんであろうか。私は民を確かに愛している」

「文字を覚えることで騙されることも勝つことも負けることもあるだろう。だがそれこそが歴史なのだから」。

王とは。
多くの名もなき者たちの無念の死も、悲しみも苦しみも憎しみも涙もすべてその背中に背負いながら、心を痛めながら、心で泣きながら、それでも淡々と凛として毅然としてたっていなくてはならない存在である。
民の幸せと国の平和を祈りながら。

ギジュンなきあとの密本は解体せず4代目が継ぐが、その就任挨拶ときたら。
「文字を徹底して蔑視せよ。女子供の使うものだと見下すのだ」そのあまりにちゃちな宣言に笑っちゃったわー。
しょーもなって(^_^;)力入れて見てたのがここで一気にゆるんじゃった。

トルボクとタムの天での幸せを祈りながら、今日も黙々と公務をこなすイド。

私のもっていきようのない悔しさは、ラスト、トルボクとタムのかなわなかった現世での幸せな暮らしぶりを見せてくれたことで、少し収まった気がします。
きっとこうしたかったのだろう、今、天の上できっと子供たちを幸せに暮らしているのだろう。
視聴者の空想に任せず、目で見せてくれたことでせめてものなぐさみになりました。

ドラマを通して改めて、イド役のハンソッキュさんの天才的な演技力と、チュユン役のチャンヒョクさんの卓越した職人芸的熱演に感動したものですが。
最終回を見終えて痛感したことは。涼しい顔でソイ役をこなしていたシンセギョンさんが、実はこのドラマでお二人に負けず劣らず素晴らしい役目を果たしていたのではないかしらということ。

キャラの性格上、いつも物静かで控えめでいながら芯のしっかりした女性を演じていたセギョンちゃん。
ときには王よりも明晰で、うんと年上に見えるトルボクよりも大人だったソイ。
ギジュンとイドの手に汗握る議論の緊張の場面でもその場をとりしきり、終わりの機会を与えたのはソイだった。
その名場面は記憶に新しいし、とても印象的だった。

純粋に見えて、ときには世の中のことが全てわかったような肝の据わった女性。他の女優さんだったら上手くいかなかったかもしれないソイ役。透明感のあるセギョンちゃんだから、いやみなくこなせ、彼女の幸せを祈らずにいられない健気なソイだったのかもしれない。

セギョンちゃんへの賛美で感想を終えたいと思います。

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Posted by まりあんぬあしゅー on 04.2012   0 comments   0 trackback
Category :根深い木

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